大出ブログ

一式見積もり時代の崩壊

2010.05.01

住宅の価格。一般消費者にとっては、これが最も気になる点だろう。本来、価格というものは、いわゆる原価があって、そこへその会社の利益を乗せて決める積み上げ価格方式と、販売価格があってそこから原価を差し引いて利益を捻出する原価引き算方式がある。

今の世の中では、まず販売価格があってそこから原価を引いて利益を出す仕組みになっている。原価をいかに抑えるかで、利益が多いか少ないかが決まってくる。原価をできるだけ抑えることが企業努力なのである。

住宅メーカーが設定している価格は、原価に適正な利益をのせて決めた「積み上げ価格」だ。そして問題なのは、原価である材料費と施工費の計算がはなはだ不透明になっていることだ。それが端的に現れているのが、「一式見積もり」という方式である。

また工務店でも、細かい項目ごとに金額を弾き出すことをせずに、全体をひとまとめにして、一式いくらという形で見積もりを出す。全体で設定しているから、お客様からまけてほしいといわれれば、いくらでも融通が利く。

例えば基礎でも、値引き額が大きかったのでもともとコンクリート強度210㎏/㎠の予定だったところを160㎏/㎠にしておこうかとか、初期の段階ではまるでわからない。
そうやって、施工時に見えないところで原価を浮かそうとする。その結果、阪神大震災のようなことがあると、基礎の手抜き工事による被害となって表れるわけだ。

米国などでは、材料費と施工費を明確に分け、それこそ釘一本から見積もるという。日本ではすべて一式にしてしまう。そのほうが誤魔化しやすく楽だからだ。

これからの会社は、材料費と施工費をはっきり区分けし、定価のあるものはきちんと定価を明記するようにすることだ。材料費を明確にして、もしお客様のほうで安く入るものがあれば、そちらで調達していただいても一向に差し支えありませんとといえるようにすることだ。材質を落として、利益を浮かそうと思わないことだ。そうしたほうがお客様も納得できるし、会社自身も信頼され適正な利益が確保できる。

カテゴリ:工務店経営

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